日本財団 図書館


 

楽しいこと間違いなしです。千葉県の木となれば郷土の木です。忘れることはないでしょう。秋に赤い実を食べれば、絶対忘れませんね。とっても美味しいのです。自然に親しむ第一歩は食べることかも知れません。
出来上がった手裏剣は、図書館のカウンターにしばらくの間展示しておきました。後日作り方を教えてほしいと言う先生やめずらしそうに見ていた生徒がいたそうです。
シロツメクサの花かんむりも植物で行なう綱引きもみんな知っていました。シロツメクサの花はいくつ集まっているのでしょうか。調べてみましょう。だいたいの数をビンゴの問題としてもいいですね。正解の1割までが[○]印を記入できます。みんなの目の前で一つ一つ積んでいくとドキドキします。さらに、枯れた花を観察しましょう。花の中にはもう種ができています。どんな形をしていますか。スケッチしてみましょう。エンドウマメのようですね。マメ科の仲間であることがわかります。

 

植物と人間の共通点は何だうう?
人間一人ひとり個性があるように、植物もそれぞれ表情が違っています。冬芽や葉痕の観察では、その表情の違いに感動を覚えます。みんなと同じであることよりも、違っていてこそ生物の存在意義が発揮されるのです。そうした生き物の戦略を観察して自分自身を振り返ることが大切なことだと思います。
五感を使って
人間には誰にでも持って生まれた「感性」というものが偏っているはずです。ものごとを正しく理解するときには、しっかり観察することでそのものの特質を見抜くことができます。
五感とは、視覚(目)・聴覚(耳)・触覚(手)・臭覚(鼻)・味覚(舌)のことをさし、これらを上手に活用することで脳に刺激を与え、危険を察知したり回避することができるのです。これを第六感と呼んでいます。
現代の子どもは、体験が乏しいためか外界からの刺激に弱く、何事にも意欲・関心が低いと言われていますが、決してそうではないと思います。自然と接する機会が少なかっただけのことで、ちょっと感性をくすぐるだけで、それがよみがえるのだと考えます。
学校教育の中で、感動をともなう体験を子どもたちに提供できる教師の積極性がいま問われているのです。

 

7 今後の課題
環境教育は、子どもたちが小学校、中学校、高等学校と成長するにしたがって、途中でとぎれることなく継続して学習していくものでなくてはいけません。また、子どもたちの発達段階に応じて体験する内容や活動などは違っていても、教育の根底には、地球人として自分たちの住む地球環境を自分たちの手で守るという基本的な姿勢がなくてはいけません。
身につけた知識を行動に活かしてこそ、学問をしたという証となるのです。
そういう意味において、学校教育の場で子どもたちを指導する教員の連携が必要となってくるのです。つまり、小学校、中学校、高等学校の先生方の環境への関わりや子どもたちの取り組みについて情報交換をし、教員相互の研鎖の場が保障されれば、千葉県における環境教育は充実していくことでしよう。
千葉県環境教育研究会は、県内の小・中・高の先生が集まって環境教育の研鎖に努めています。その活動を、千葉県環境部や千葉県環境財団が支援しています。学校と行政が協力して、次代を担う子どもたちのためによりよい環境を考え、その実現のために行動していくことが重要であると考えます。

 

 

 

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